おもしろメディア学

【研究紹介】お城を数値で作り上げる!:日本城郭のプロシージャルモデリング

2019年1月22日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

最近の映像コンテンツではロケーション撮影やミニチュアによる特撮ではなく,3DCG を用いた広領域な背景を表現するものが多くなっています.
実写ではなく 3DCG を用いる利点は,大きな世界観を持つコンテンツの場合でもビジュアル化が可能である点が挙げられますが,その一方でどうしても必要となる CG モデルの物量とクオリティの確保,および膨大に膨れ上がる制作パイプラインの管理などが課題として挙げられます.

そこで,都市景観やビル群,建築物などの生成規則をルールとしてまとめ,パラメータ制御によってモデルを半自動的に生成してしまうプロシージャルモデリングという手法が多くみられるようになっています.

”プロシージャル”とは日本語で”手続き”と訳され,モデルの生成規則を手続きとしてコンピュータにインプリメントし,その規則に則って自動的に形状を生成してしまおうというものです.
プロシージャル・アニメーションに関する解説は,こちらもご覧ください.

我々の研究室では,戦国時代をシミュレーションしたゲームや映画などの映像コンテンツで利用できる「日本城郭(いわゆるお城)」をプロシージャルにモデリングする研究を行っています[1].

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図.「日本城郭のプロシージャルモデリング」の研究成果例

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2019年1月22日 (火)

【研究紹介】プロジェクションマッピングはエンタメだけじゃない!プロジェクションマッピングによる動作支援

2019年1月15日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

皆さんは「プロジェクションマッピング」というと,何を思い浮かべるでしょうか?
東京ディズニーランドのそれや東京駅でのものを思い浮かべる人も多いことと思います.

このように,「プロジェクションマッピング」というと「エンターテインメント分野」のコンテンツを想像される方が多いと思いますが,プロジェクションマッピングとは「映像を実際に存在する物体にマッピング(投影)することで,ある種の錯覚を利用して鑑賞者の印象を操作する」モノであると捉えるならば,その利用方法はなにもエンターテインメント分野に限ったものではないと思われます.

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2019年1月15日 (火)

高大連携企画・映像制作ワークショップを開催しました

2019年1月14日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

2019年1月13日(日)に東京工科大学八王子キャンパスの PC 教室を利用して,「中高生にもできる映像制作ワークショップ:私も CG 映像作家になれる!」を開催しました.

このワークショップは,東京工科大学メディア学部と神奈川学園中学・高等学校「高大連携共同研究」として進める企画のひとつとして開催しました.

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図.ワークショップの様子

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2019年1月14日 (月)

【再掲】世にも恐ろしい本当にあった話...(からぁ~の,エール!)

2019年1月 9日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

2019年もスタートし,日本の大学ではそろそろ卒業研究最終発表や修士・博士の学位審査会などが開催される時期になってきました.

学部 4 年生,あるいは大学院前期・後期の最終学年の皆さんはまさに追い込みの時期になってきたわけですが,この時期だからこそ,私の過去の失敗談を再掲しておきたいと思います(笑).

こちらをご覧ください

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2019年1月 9日 (水)

【研究紹介】”匂い”で季節感を感じさせることはできるか?

2019年1月 6日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

本日のブログでは,菊池研究室で行った「季節感を感じさせる嗅覚刺激に関する研究 [1]」に関して紹介したいと思います.

人間には,視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の「五感」がありますが,昨今の VR ( Virtual Reality )の発展・普及に伴い,嗅覚ディスプレイの研究・開発が盛んに行われるようになってきました.
嗅覚ディスプレイとは,匂いを提示する装置のことで,映画やゲームのシーンに合わせて匂いを提示して臨場感を高めることや,電子広告と同期して匂いを発生させて新たな宣伝方法を実現することが期待されています.

皆様も一度は,テレビ番組で美味しそうな料理を見たときに「あぁ~,どんな匂いなんだろう?」っと思ったことがあるでしょう?(笑).
嗅覚ディスプレイが実現できれば,その願いが叶うわけですね!

さて我々菊池研究室では,近い将来「映像と匂いを同時に提示するコンテンツ」が実現できると考え,それに先立って「映像と同時に匂いを提示することによって,映像から受ける”季節感”を増幅させることができるのか?」ということを明らかにする研究を行いました.

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2019年1月 6日 (日)

【研究紹介】”未体験視点”を体験したらどうなるか?

2019年1月 2日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

昨今の VR (Virtual Reality) の普及に伴い,いろいろなところで「 360 度動画」を目にする機会が増えました.例えば,このような動画です.

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上記の動画も,こちらで紹介されている動画も我々「菊池研究室」が制作協力をしていますが,我々の研究室では 360 度動画を単純に制作するだけでなく,「普段人間が生活している上で体験することがないであろう映像を制作した場合,視聴者はどのようなことに関して没入感や恐怖感を感じるのか?また,そのような感性を引き起こす要因はなんなのか?」を明らかにする研究を行っています.

この研究成果は,2018年8月3日~7日にイタリア・ミラノで開催された 「 The 18th International Conference on Geometry and Graphics ( ICGG 2018 )」にて発表を行いました [1].

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2019年1月 2日 (水)

台南でみかけた立方八面体!?  おもしろメディア学

2018年12月27日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

国際会議ADADAで台湾の台南に行きました.学会の見学会で街の中のお寺などを見学しました.日本でもお寺などでみることもありますが,立方八面体を利用した柱の飾りをみることができます.
写真のような使い方です.石で制作した飾り,木を加工した飾りなどがあります.この立方八面体は,正多面体である立方体と正八面体から生成できます.神秘的な形状とも言えます.

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さて,
次の写真も立方八面体のように見えます.

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2018年12月27日 (木)

【研究紹介】”かわいい LINE スタンプ”って,どんなスタンプ?

2018年12月24日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

先日のこちらのページでも特集されているように,スマホは私たちの日常生活に欠かすことのできないデバイスとなっています.

では皆様は,スマホで一番使っている機能(アプリ)はなんでしょうか?

皆様の中には,「う~ん...LINE かなぁ~?」という人も多いのではないでしょうか?

最新の報告( 2018 年 11 月調べ)では,LINE の月間アクティブユーザ数は日本国内では 7,600 万人以上,全世界では 2 億 1,700 万人以上というデータもありますSocial Media Lab からの引用)

このようなデータからもわかるように,多くの人によって利用されている LINE ですが,その魅力のひとつに「LINE スタンプによるコミュニケーション」があるのではないでしょうか?

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図.菊池研究室での研究成果によるオリジナル LINE スタンプ

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2018年12月24日 (月)

【研究紹介】紙って四角形?三角形?: 紙の皺をCGでシミュレーションする

2018年12月20日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

突然ですが...「紙」は皆様が必ずと言っていいほど毎日手にするものだと思います.この「紙」を CG で表現しようとした場合,どのようにしたらいいと思いますか?

紙も布も,CG では有限要素法(Finite Element Method:FEM)と呼ばれるアルゴリズムで計算することができます(もちろん,そのほかにも様々なアルゴリズムがあります).

FEM は,解析的に解くことが難しい微分方程式を数値解析で近似的に解く手法のひとつで,複雑な形状・性質を持つ物体を小部分に分割することで近似し,全体の挙動を予測しようとするものです.
FEM によるシミュレーションでは,(紙や布のような)モデルを細かい三角形に分割して計算を行うのが一般的です(クロスシミュレーションの例は,こちらで紹介していますので是非ご覧ください).

さて,我々の研究室ではこの FEM アルゴリズムを応用して,「書道における和紙の乾燥皺」の CG シミュレーションを行っています.

皆様の多くが,小学生の時などに「書道」を経験しているかと思います.書道で何かしらの文字を墨汁と筆で和紙(半紙)に書いたあと,教室の後ろなどに貼り出されますよね?
すると,時間が経過していくとだんだんと和紙に皺が寄っていくのを覚えていませんか?

そうです!あれです,あれ!(笑)
あの様子を CG でシミュレーションしているわけです.

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2018年12月20日 (木)

絶対評価と相対評価

2018年12月16日 (日) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

大学の先生は成績をつけなければならないので、絶対評価と相対評価ということでいつも悩んでいるのですが、私が研究している「声の品質評価」という分野でも、同じことが問題になります。

声の品質の良し悪しは、本来ならば絶対評価で数値化したいのですが、なんといっても主観的なものですから、なかなか厳密な評価ができません。「とても良い」「良い」「普通」「悪い」「とても悪い」の5段階評価のアンケートを取ったりするのですが、人によって基準が異なってしまうのが悩ましいところです。そんなときには、相対評価のアンケートを取った方が良い場合があります。2つの声を聞かせて、「どっちが良いと思いますか?」と聞くと、わりと安定した回答が得られるのです。

相対評価のアンケート結果でも、たくさん集まれば、そこから絶対評価の値を求めることもできます。ThurstoneとMostellerという人が考えたモデル(*1)では、絶対評価の値を中心として評価が確率的に変化し、その評価値の比較によって相対評価が行われると考えます。私の以前の研究(*2)では、いろんな人に話してもらった「いらっしゃいませ」という声の魅力度を、この相対評価の方法に基づいて分析してみました。

さて、こうした分析方法は、声の評価以外の分野でも使われています。代表的な例として、スポーツのランキング作成があります。スポーツの試合というのは普通は2チームの間で行われるわけですが、そうした試合結果(相対評価)をたくさん集めて、チームのランキング(絶対評価)をしてみようというわけです。せっかく研究用にプログラムを作ったので、そのプログラムで、2018年の日本のプロ野球チームのランキングを推定してみました。その結果が以下の図です。

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横軸にペナントレースの勝率、縦軸にThurstone-Mostellerモデルのスコアをプロットしてみました。こうしてみると、リーグ内での上下関係は普通の順位通りになりましたが、リーグ間の関係に顕著な差が現れました。これは、交流戦でパシフィックリーグの成績が良かったためだと思われますが、こうしたものが数式だけから簡単に計算できるのも面白いですね。

(*1) F. Mosteller, "Remarks on the Method of Paired Comparisons: I. The Least Squares Solution Assuming Equal Standard Deviations and Equal Correlations," Psychometrika, Vol.16, No.1, pp.3-9 (1951)

(*2) Y. Obuchi, "Personalized Quantification of Voice Attractiveness in Multidimensional Merit Space," Interspeech, Stockholm, Sweden (2017)

2018年12月16日 (日)

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