社会

世界最大の広告祭「カンヌライオンズ2018」から「サイバー部門」が廃止された理由(メディア学部 藤崎実)

2018年8月13日 (月) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、メディア学部社会コースの藤崎実です。

 

以前も紹介しましたが、毎年6月にフランスのカンヌで開催される「カンヌライオンズ」は、世界中の広告人から注目されます。理由は、カンヌライオンズが、今後の広告業界が進む「道しるべ」の役割を担っているからです。


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広告は企業と生活者を結ぶコミュニケーションです。そして時代は常に動いています。10年前にはなかったコミュニケーションが今は当たり前になっています。例えばスマホです。例えば電車の乗り継ぎのアプリです。天気予報も、今やネットで簡単に雲の動きがわかります。大事なことはLINEですぐに連絡が取れます。


つまり、時代が変化して、暮らしが変わってきている以上、広告も形を変えて、どんどん変化しているのです。今の時代にあったコミュニケーションの形で、私や、みなさんが「なるほど」とか「へえー」と思わなければ、広告は失敗なのです。


だから「今はどんな時代」で「どんな広告が人の心を動かし」「広告はどんな道に進むのか」といったテーマは世界共通で広告人の関心事なのです。広告は時代と密接に関わり、時代を反映して常に動いているということ、少しはわかっていただけるでしょうか。


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さて、そんなカンヌライオンズで、今年大きな2つの変化がありました。まず、応募カテゴリーの統合です。近年の広告手法の多様化を反映して、カンヌでは応募カテゴリーがどんどん増えていました。それを今年からシンプルなカテゴリーに統合したのです。これも時代を象徴しています。そうです、物事はどんどんシンプルになってきているということです。

 

そしてもう1つの大変化。それが「サイバー部門」の廃止です!!

 

カンヌでサイバー部門が設立されたのは1998年。当時はまだインターネットが普及したばかり。でも、バナーや電子メールを上手に活用した意欲的なデジタルクリエイティブがどんどん注目され始め。そこで、今までにない新しい手法としてサイバー部門が新設されたのでした。そして20年が経ち、毎年、インターネットを活用した数々の名作や、素晴らしいデジタルクリエイティブ、デジタルコミュニケーションが注目を集めてきました。

 

では、なぜ今年廃止されたのでしょうか???


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答えは簡単です。インターネットを活用したデジタルクリエイティブやデジタルコミュニケーションは、今や当たり前になったので、あえてカテゴリーを作り、区別するのをやめたのです。今やデジタルの活用は、普通の広告コミュニケーションに溶け込んで、当たり前になり、一般的になったということなのです。

どうでしょうか。こうしたカンヌライオンズ自体の姿勢の変化も時代を反映していると思いませんか? (メディア学部 藤崎実)

(※画像は全てカンヌのサイトから https://www.canneslions.com/)


2018年8月13日 (月)

8/5 オープンキャンパス参加レポート by新任・森川 第三回:メディア社会コース編

2018年8月10日 (金) 投稿者: メディア社会コース

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85日(日)開催の八王子キャンパスオープンキャンパスOC)レポートブログもいよいよ最終回!

毎度おなじみ、メディア学部新任の森川です。

 

高校生の皆さんだけでなく、在校生の学生スタッフの皆さん、気付いていたでしょうか。

片柳研究所(片研)の4階と5階の壁には、今回も大学院生の研究ポスターが展示されていたんですよ。

 

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卒研をやってみて、「研究」が楽しくなってしまった人は、是非次のステップを考えてみてください。

修士号を取得することで、将来のバリエーションが広がるかも知れませんよ!

 

さて、今回のOCのメディア学部の出展は、片研の7ブースに対し、研究棟Cでは9ブースもありました。

最高気温35度の灼熱の中、片研から研Cへのスロープを徒歩で上るのはとても大変でしたよね。

私は学内巡回バスを有効利用しました。

15分に1本の運航ですが、片研と研Cを涼しく往復できるのでオススメです!

次回OC8/26)もまだまだ暑さ厳しい折だと思います。

来られる方は、是非ご利用ください。

 

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では、メディア社会コースのレポートに移りましょう。

今回は新テーマの出展1件を含め、計4件の出展がありました。


 

【片研5F

   人間・社会・環境の予測とプラン(担当教員:小林)

予測や計画を扱った小林研の展示では、小林先生による手相占いの体験もできました。

占いも古代から行われている予言や予知と同列線上にある、統計を基にした予測のひとつです。

ピタゴラスやニュートンといった科学者たちも、有名な定理の発見後は、占いのような予測の研究に没頭したとのこと。

私も小林先生に少しだけ見てもらいましたが、どうもビジネスに長けた手相をしているそうですよ。

だったらもっとお金持ちになっていてもいいはずなのですが……。

 

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 D地図を利用しよう(担当教員:千代倉・飯沼)

この展示は、2年生の後期に受講する必修科目・メディア基礎演習Ⅱ「ソーシャルデザイン」で作ったものだそうです。

SketchUpというソフトとGoogle Earthを連携させ、今はもう荒廃してしまった建物や歴史的建造物を復元したり、外からでは見ることのできない建物内部を作ったりするとのこと。

スクリーンではストーンヘンジの復元画像や出雲大社の内部を作った画像を投影していました。

この授業では、世界遺産の中で、自分が復元したい・作りたい題材を自由に選んで制作できるそうですよ。

 

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【研究棟C

 コンテンツビジネスイノベーション研究(担当教員:吉岡)

これまでデジタルサイネージの展示をしてきた吉岡研ですが、今回から新テーマで展示を行います。

メディア学部で学んださまざまなメディアの知識を用い、どうイノベーションを起こして社会に役立てるかが大きな研究テーマとのこと。

卒業生の中には、音楽が好きでメディア学部に入り、コンピュータのスキルを学んで、吉岡研で映画の中の音や効果音の研究をした学生もいたとか。

音楽イベントや電子書籍、メディアートの研究をしている学生もいるそうですよ。

吉岡先生は、「何を学ぶか迷っている人ほどメディア学部へ。メディア学部なら広く学べます。学生のうちだからできることをいろいろやって欲しい」とおっしゃっていました。

 

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 相互行為って何?(担当教員:山崎)

「特に何も考えずに自然とやっているけど、それって何で?」

という、人の“無意識”を分析する研究を行っているのが山崎研。

実は、新しい発想って当たり前のことから生まれたりするものですよね。

メディア学部では、カメラやPC等を使ってコンテンツなど、何かを「生み出す」ことにフォーカスした研究が多いですが、この研究室ではカメラを分析の道具として役立てているそうです。

そういった、“メディアの違う一面を使う”研究室とのことでした。

 

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今回のOCでも、学内の数か所にデジタルサイネージによる案内表示をしていました。


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立ち止まってご覧いただいた方もたくさんいらっしゃったと思います。


 

さあ、いよいよ次回、826日(日)が今年度最後のOCです。

高校三年生の皆さんにとっては高校生活最後の夏休み。

そして、平成最後の夏。

是非この夏休みの終わりにここ、東京工科大学八王子キャンパスでお会いしましょう。

教員、学生、スタッフ一同、皆様をお待ちしています!!

 

もちろん、こうかとんも待ってます!!

 

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(メディア学部 森川 美幸)

2018年8月10日 (金)

ZOZOスーツにみる、アパレル業界の産業革命とテクノロジーによる可能性(メディア学部 藤崎実)

2018年7月29日 (日) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、メディア学部社会コースの藤崎実です。

 

テレビやネットニュースなどですでに報道されていますが「ZOZOSUIT」を使った完全オーダーメイドの洋服づくりがいよいよ始まりましたね。

 

ファッションECZOZOTOWN」を運営する「スタートトゥデイ」の前澤社長が、73日に記者会見で発表した内容は、多くのメディアで報道されました。みなさんもどこかで目にしたのではないでしょうか。


世界72カ国の人に対して採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT」を配布すること。日本を除く10万人に対して、「ZOZO」のTシャツとデニムを無料で配布すること。日本のラインアップに、ビジネススーツとドレスシャツを追加し、今後、順次拡大していくこと。2018101日から社名を「ZOZO」へ変更すること。今後世界展開を本格化させること、などなど。この発表で競合メーカーの株価が軒並み下がったそうです。これって、すごいことだと思いませんか?

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正確に言えば、気軽に頼めるオーダーメイドの仕組みは今までもありました。また、オーダースーツを手軽に注文できる仕組みやアプリの開発には、各社、頑張って取り組んできました。

 

では、今回「ZOZOSUIT」のどこがすごいのかというと、スマートフォンを使うことで、お店に行かずに自宅で自分のサイズを測れるということと、全身24か所もの細かい寸法を計測できる点でしょう。これらによって個人の体型に合わせて作る「完全オーダーメイド」が可能になったのです。

 

採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT」は、アパレル分野の産業革命だと思います。つまり、今まで人間が洋服のSMLなどといったサイズに合わせていた習慣を変え、今度は洋服の方をひとりひとりの細かいサイズに合わせて作ろうというのです。そう考えると、これは新しいビジネスモデルの提示です。

 

レコードがCDに変わり、さらに音楽データに変わったことで、音楽の楽しみ方が変わっただけでなく、産業そのものが変化したように、洋服産業の仕組みが根本的に大きく変わる可能性がここにあるのです。テクノロジーによってアパレル産業の産業革命が始まろうとしているのです。

そこに気づけば、競合メーカーの株価が下がった意味も理解できるのではないでしょうか。

 

ところで、私は以前から「ZOZOTOWN」に注目していたこともあり、201710月、「ZOZOSUIT」の発表後の大変早い時期にすぐにオーダーしていました。

しかし、発送が遅れているという連絡があったまま、すっかり忘れていたのでした(笑)。そして、ずいぶん時間があいた今年5月、唐突に「ZOZOスーツ」が届きました。それが写真です!

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私の友人にも続々と到着したようで、「届いた」「やってみた」「すごい!」という声が次々と私のところに届く今日この頃です。早速私も試さないと!メディア学部 藤崎実


2018年7月29日 (日)

8月5日(日)夏まっさかり!本年度3度目のオープンキャンパス開催!! PRブログ第三回:メディア社会コース編

2018年7月27日 (金) 投稿者: メディア社会コース

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今回の八王子キャンパスオープンキャンパスOC)のPRブログも最終回となりました。

メディア学部新任の森川です。

高校三年生の夏休みの思い出と言えば、私にとっては高校の体育祭の準備です。

当時は三年生が主体となって運営するのが恒例でしたので、受験勉強をしつつもみんな毎日のように学校に通って大道具や小道具の制作、出し物の練習等に汗を流しました。

皆さんもそれぞれ、是非心に残る夏休みを過ごしてくださいね。

 

そんな夏休みの思い出のひとつに、本学OCも加えてみてはいかがでしょうか。

日程は8月5日(日)10:0016:00

場所は片柳研究所(片研)4Fのコンテンツテクノロジーセンター(CTC)と、5Fのメディアテクノロジーセンター(MTC)、そしてメディア学部の本拠地でもある研究棟C2~5階です。

 

PRブログのラストとなる今回は、メディア学部メディア社会コースの出展をご紹介します。

 

【片研5F

 人間・社会・環境の予測とプラン(担当教員:小林)

人間や社会の予測と計画についてゲームなどを通して体験してください。

場所:MTC

Kobayashi

 

 D地図を利用しよう(担当教員:千代倉、飯沼)

Dモデルを作成し、3D地図の中に入れる方法を説明します。

場所:MTC

Chiyokura


 

【研究棟C

 コンテンツビジネスイノベーション研究(担当教員:吉岡)

「もっとこうなったらいいのに」を実現するための提案をしています。

場所:4F 420

Yoshioka


※画像は研究棟Cのエレベーターホールに設置されたデジタルサイネージです。

 

 相互行為って何?(担当教員:山崎)

会話などのビデオ分析から、相互行為について明らかにします。

場所:5F 520


Yamazaki

 

今回も大学院生の研究ポスター展示や学生相談コーナー/個別相談コーナーの設置もございます。

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入試説明会や、柿本学部長による学部説明会も開催されますので、奮ってご参加くださいませ。

校舎間の移動は無料の学内巡回バスが便利です。


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たくさんの皆様のご来校を、教員、学生、スタッフ一同、心よりお待ちしています!!


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(メディア学部 森川 美幸)

2018年7月27日 (金)

7/15 オープンキャンパス参加レポート by新任・森川 第三回:メディア社会コース編

2018年7月20日 (金) 投稿者: メディア社会コース

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715日に開催された八王子キャンパスオープンキャンパスOC)のレポートブログ第三回!

皆さんおなじみ(?)の森川がお届けします!!

 

高校生の皆さんにはまだ先の話になりますが、今回のOCでは大学院説明会も同時開催されていました。

 

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片柳研究所の4階と5階では、大学院生の研究ポスターの展示もあったんですよ。

 

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大学だけでなく、大学院で学ぶことには大きな意味があります。

さらに自分の研究を追求したい、社会に出る前にもっと技術を身に付けたいという人は、是非進学の道もご検討ください。

 

ではメディア社会コースのレポートに移ります。

今回は計5つの研究室の出展がありました。


 

【新規出展】

 “進化+深化”のeラーニングの世界(担当教員:松永)

学習にゲーム的な要素を取り入れ、幼児から小学生、中学生、身体に障がいのある方々まで、楽しく学んでもらおうというのが、eラーニングのコンセプト。

人の感情を学ぶゲーム仕立ての教材に、新技術であるVRを導入した研究の紹介などが行われていました。

 

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 人間・社会・環境の予測とプラン(担当教員:小林)

「“好き”をお金に変えるにはどうすればいいか」というテーマの下、過去の実績から法則を学び、予測を立てて事業計画を立案する、という研究を行っているとのこと。

例えばゲームが好きでビジネスにしたいと思ったら、ファミコンの時代から、現在の3Dゲームまでの歴史をたどり、進化プロセスを学んだうえで次の技術に役立てることが大事、というお話をされていました。

ゲーム好きの高校生が熱心に聞き入っていたのが印象的です。

 

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 D地図を利用しよう(担当教員:千代倉、飯沼)

メディア基礎演習の「ソーシャルデザイン」の授業では、Google Earthを活用し、任意の町の観光ツアーを作ってみる、といった課題を行っているとのこと。

授業だけでなく、実際に自分が旅行に行く時も役立てられそうですね。

説明をしていたスタッフの学生は、広島の世界遺産・厳島神社の紹介ビデオを作ったそうです。

 

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【再出展】

 相互行為って何?(担当教員:山崎)

会議などで「何か質問がある人」と言われると目をそらす、わからない時に上を見る、といった、人が無意識に行う行為の研究を紹介していました。

今はビデオカメラという記録媒体があるため、研究が飛躍的に説得力を増したそうです。

高校生が「はい、はい」と声に出して相槌を打ちながら説明に耳を傾けていました。

 

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 デジタルサイネージ(担当教員:吉岡)

こちらも、6月も人気だったデジタルサイネージの展示。

MTC(メディアテクノロジーセンター)の廊下に大きなモニターが設置されているので、思わず足を止めて見入ってしまいます。

 

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今回、デジタルサイネージの技術は、研究棟Cでの出展告知のためにも使われました。

片柳研究所の4CTC(コンテンツテクノロジーセンター)入口と、


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研究棟C1階エレベーター前に、縦型のモニターを設置。

 

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こちらも多くの方の目に留まったと思います。

 

今回のOCは暑かったので、片柳研究所から研究棟Cまでの移動に学内巡回バスを利用された方もいらっしゃったでしょう。

次回のOC85日(日)です。

まだまだ夏真っ盛りの日程ですし、また片柳研究所と研究棟C2か所で出展が行われます。

熱中症対策をお忘れなく、是非学内巡回バスもご利用くださいませ。

 

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最後に、連日の猛暑の中、少しでも涼しい気持ちになれますよう、我が校の噴水の画像をお届けします!


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それでは、8月も、大勢の皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!

 

(メディア学部 森川 美幸)

2018年7月20日 (金)

カンヌと言えば映画祭ですが広告祭もあるんです。カンヌライオンズ6/18-22開催!(メディア学部 藤崎実)

2018年6月 3日 (日) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、メディア学部社会コースの藤崎実です。

 

あっという間に6月です。みなさんは6月と言えば、何を連想しますか?

6月になると広告業界の話題は「カンヌライオンズ」(正式名称:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)一色になります。

 

これは日本だけでなく、全世界的な規模で広告業界の関心事になるイベントです。今年は6/18-22に第65回目の開催。どんな広告が受賞するか、早くも世界中の注目が集まっているのです。では、なぜこの広告祭が6月に開催されるのか、みなさんご存知ですか???

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一般的に「カンヌ」と言った時に有名なのは映画祭でしょう。森川先生が先日、このブログで紹介したように、今年の最高賞は、是枝裕和監督の「万引き家族」が受賞。大きな話題になりました。その「カンヌ国際映画祭」は5月に開催されます。

さて、映画と言えば予告編がつきものですよね。本編が始まる前の予告編を楽しむ人は多いと思います。そして最近は、あまり見かけなくなりましたが、その予告編に混じって、かつては映画館でコマーシャルフイルム(シネマ・アド)がたくさん流れていました。

 

ここで、カンヌ広告祭が始まった64年前を想像して下さい。今は、YouTubeなどで映像を自由に見ることができます。TVからもCMがどんどん流れてきます。でも、そのずっと昔、TVさえも普及する前の時代、庶民が接する映像メディアは映画館くらいしかなかったのです。

 

庶民の娯楽といえば映画という時代です。映画館の巨大なスクリーンを使ったコマーシャルフイルムは、見た人に圧倒的な印象を残すことができました。しかも今のTVCMのように15秒や30秒といった制約がないので1分や3分といった長尺CMを流すことができます。広告クリエイターや、映像ディレクターの腕の見せ所です。広告主もお金をかけ、力の込もったコマーシャルフイルムが次々と作られるようになったのです。

 

そんなことがきっかけで、映画祭だけではもったいない、カンヌ映画祭の後に、同じ会場で、劇場用コマーシャルフイルムのコンテストを行おう、ということに。それが今から64年前、1954 年、カンヌ広告祭の誕生です。その流れが引き継がれ、5月は映画祭、6月は広告祭になったのでした。

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当時は35ミリフィルムのコンテストでしたが、もちろん今はインターネットを使った広告など世界最先端の広告が集まります。詳しいお話しはまた今度!メディア学部 藤崎実

 

2018年6月 3日 (日)

是枝裕和監督作品『万引き家族』がカンヌ映画祭パルムドール受賞!

2018年5月25日 (金) 投稿者: メディア社会コース

今月19日に閉幕した第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールに、是枝裕和監督の『万引き家族』が輝いたというニュースは、新聞の一面を飾るほど大きな話題になりました。今村昌平監督の『うなぎ』以来21年ぶりの快挙だそうです。素晴らしいですね。

毎年5月に開かれるカンヌ国際映画祭は、世界三大映画祭(ベルリン、ヴェネツィア、カンヌ)の中でも、最も有名で格式高い映画祭です。フランスは映画発祥の地でもありますので、世界中の映画人にとって特別な場所なのでしょう。私も前職在職中、二回ほどカンヌ映画祭に参加しました。そのうちの一回、2013年のカンヌには、『そして父になる』を引っ提げて、是枝監督も来仏されていたのでした。主演の福山雅治さんを伴ってのレッドカーペット登場は日本のメディアにも取り上げられ、現地でも非常に注目されていたのを覚えています。結局、『そして父になる』は審査員賞を受賞。審査委員長は何とあのスティーブン・スピルバーグ、審査員には日本人映画監督の河瀨直美さんも名を連ねていました。(ちなみにこの年のパルムドールは『アデル、ブルーは熱い色』というフランス映画で、そのセンセーショナルな内容が批評家たちの度肝を抜きました)。

あれから5年、名女優ケイト・ブランシェットが審査委員長を務めた今回、是枝監督はパルムドール受賞監督となりました。ひょっとすると来年の米アカデミー賞の外国語映画賞の候補になるかもしれません。

是枝監督はもともとテレビ業界出身で、ドキュメンタリー番組の演出家でした。その後『幻の光』(95年)という作品で映画に進出。ドキュメンタリー出身の監督らしく、是枝作品は実際の事件に触発されて生まれることが多いそうです。今回の『万引き家族』も親の死亡届を出さずに年金を不正受給し続けていた事件から着想を得たそうですし、『そして父になる』も実際に起きた「赤ちゃん取り違え事件」が下敷きになっています。社会で起きている事件や事象に常に敏感でいること。そしてそこから何らかのメッセージを受け取り、作品にしていくこと。映画に限らず、“モノ作り”を目指す人間にとって、是枝監督のスタイルから学ぶべきものは必ずあるはずです。

 何かを作りたい・作らなくてはいけないのにテーマが見つからない、という人は、是非社会の声に耳を澄ませてみてください。そこにはどんなメッセージがあるでしょうか。それを作品にして人々に伝えていくのも、クリエイターの大事な役目なのです。

 

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 Photo: 2013年のカンヌ国際映画祭会場(森川撮影)

 

メディア学部 森川美幸

2018年5月25日 (金)

新任のごあいさつと、多様性の時代について(メディア学部 藤崎実)

2018年5月18日 (金) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、はじめまして。

この4月からメディア学部社会コースに着任した藤崎実です。

 

今後は、広告クリエイティブ、広告コミュニケーション、デジタル・マーケティングなどの分野で研究指導を行なっていく予定です。今日は初めての登場ですので、私の自己紹介をします。

 

まず私の経歴ですが、長年、広告会社でクリエイティブ職に携わってきました。最初はコピーライター、CMプランナーからはじまり、その後、クリエイティブディレクターになりました。

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さて、難しいカタカナの職種が次々と出てきたので、何のことか、さっぱりわからないかもしれませんね。


そうなのです。広告クリエイティブの仕事は、一般に世の中に知られていないのです。しかし、一旦、広告の存在に気がつくと、私たちの身の周りにいかに広告が溢れているかに気づきます。みなさんの好きな企業やブランド、あるいは毎日買っている商品には広告が存在し、みなさんに多くのメッセージを投げかけています。

 

企業から生活者へメッセージを伝えるためには、いったいどうしたらいいのか。


そこには、みなさんがびっくりするほど、多くのアイディアと知恵と工夫が込められています。広告のあり方そのものも、どんどん進化を続けています。世界中の広告人が考え抜いた工夫からは多くのことが学べます。

 

日本の広告会社だけでなく、外資系の広告会社でも仕事をしてきました。インターネットやソーシャルメディアの発展にも早くから着目してきましたが、2011年からはソーシャルメディア業界のベンチャー企業で、クライアント企業と一緒にマーケティング活動を行なってきました。

 

研究者への道は、2007年に、とある研究者の方からお声がけいただき、日本広告学会のクリエーティブ委員になったことがきっかけです。今では、いくつもの学会に参加。発表やお手伝いを行なっています。クチコミマーケティングにも取り組んでいます。


そうした全ての経験をいかすべく本校に着任したわけですが、まあ、雑多と言いますか、一言では言えない経歴が私の特徴というわけです。


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今や多様性の時代です。ひとつのことを深めるのも大事ですが、多様性も大事だと本当に思います。いや、ひとつのことを深めたら、次は多様性に向かうべきだと私は思います。それはきっと私にとって武器になったように、みなさんにとっても武器になることでしょう。

 

これからよろしくお願いいたします。(メディア学部 藤崎実)


2018年5月18日 (金)

「水中砂塵のプロシージャルアニメーション」に関する論文が公開!

2016年6月24日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部准教授 菊池 です.

本日は,我々の研究グループによる論文「FLIP と 1/f ノイズによる水中砂塵のプロシージャルアニメーション」が芸術科学会論文誌第15巻第2号に採録されましたので,紹介したいと思います.

●田中健大,古屋 匠,菊池 司,”FLIP と 1/f ノイズによる水中砂塵のプロシージャルアニメーション”,芸術科学会論文誌,Vol.15,No.2,pp.55-65,2016.

まずは,成果映像をご覧ください.



続きを読む "「水中砂塵のプロシージャルアニメーション」に関する論文が公開!"

2016年6月24日 (金)

中学入試から経済の原理を考える

2016年4月 6日 (水) 投稿者: メディア社会コース

上の子が小学校5年生のときである。首都圏の中学入試体験記を扱ったドキュメンタリー番組があったそうである。筆者と家内の両方の実家から、◯◯ちゃん(子供の名)にこんな過酷なことをやらせているのか、と電話があった。首都圏の中学入試は12月に実施され、その結果の出そろった時期に毎年放映されるらしい。同じ年頃の児童を持つ親御さんの関心が非常に高いせいであろう。

6年生ともなると塾に通い、土日も、夏休みも、お正月休みもない。普段も学校が終わってから夜9時頃まで授業を受ける。わずか10歳ばかりの子供に確かに、体力的にも精神的にも負担が大きい。わが家では両親とも、牧歌的な時代に、地方の公立育ちだったため、小学生のギリギリの奮闘努力を実感できない。時代も違うが、筆者の育った地域では、せいぜい地元の国立大付属中を受験する子がいるぐらいで、結局同じ高校に行くのであった。

しかし、わが子を通じて中学入試を経験し、興味深い事実があった。各進学塾のそれぞれの指導方法の違いである。以下は、筆者の個人的な見解と解釈であって、各進学塾の公式の見解ではないことをご承知のうえ、興味があれば、お読みいただければ幸いである。

首都圏には、大手の進学塾が3つほどある。そのうち、全国に教室を展開している最大手のN進学塾では、体験授業や入塾兼模擬試験を受けた。また、筆者の演習の授業で、ここでアルバイトをしている学生から話を聞く機会もあった。Nでは、授業など直接的な教育指導だけではない。学習計画、目標と達成度、改善点の把握などを所定のワークシートに記入、明示化するなど、教育というサービスを品質管理する(Quality Control)手法で提供するものと言える。

また、現在圧倒的な合格実績を誇るのはS進学塾である。ここは、本学同僚のI先生から伺った話であるが、一言で言えば、各生徒を志望校の傾向に徹底的に適応させる教育法のようである。算数で言えば、各問題の数値だけ変え、条件を変え、問題の一部を替えるなどして、反復演習を繰り返すことで同種の問題に習熟させる。本番で初見の問題であっても反射的に解ける水準にまで適応させるらしい。ここまでくると、ノウハウというよりも、環境に最適に適応させるシステムである。

一方で、大変オーソドックスな教授法の、老舗のY進学塾がある。筆者が説明会に参加したとき、Yの方針を釣りに例えて、上手に魚を獲る方法を教えるのではなく、どうやったら魚が捕れるか、自分で考えられるようにする、という方針であった。この方法は、中学受験成功が目標ではなく、その先を見据えたものと言えよう。しかし、言うは易し、行うは難しである。

入試問題は初見とは言っても、その範囲、傾向に関しては各塾とも膨大なデータ、分析、ノウハウがあり、対策テクニックを蓄積していよう。したがって、いかに生徒にその術を限られた時間の中でより多く身につけさせるか、適応性を最適化させるSの効率性重視が、入試合格という目標にとって合理的である。その効率性を犠牲にして、自分で技を発見し、磨いていくというような、試行錯誤を許容するのがYのシステムのようである。

進化論的な例えでは、中学入試合格のための環境に最も適応した生徒が栄えていく、適者生存の原理が働く。だから現在首都圏で中学受験界に君臨しているのはS進学塾である。しかし、合理性は基準とともに変化する。筆者はかつて、技術革新と経済成長のシミュレーションを行った。ある技術が社会を牽引しているとき、その技術に社会を適応させることによって経済は成長する。しかし、その技術による市場もやがて飽和し、社会がその技術にだけ最適化していると成長はそこで止まってしまう。効率性は成長の主因であるが、一見無駄に見える「遊び」がないと、次の成長ステップに進化できないのである。

進学後を射程にした、より長期の環境設定では、Yの生徒に分があるかもしれない。いずれの基準を受験生、保護者が選ぶかで、進学塾の勢力地図は変わってくる。

(メディア学部 榊俊吾)

2016年4月 6日 (水)

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